私の人生を変えたコピー「メイク魂に火をつけろ」
B'zの尖ったサウンドと、モデルたちの火花散るメイク直し。
「清潔感」「モテ」「可愛らしさ」
そんなありきたりなイメージは一切いらないとばかりに
媚びない姿勢が印象的だったピエヌのCM。
まさかの黒い口紅がCMでアップになるドメスティックブランドは、
今も当時もそう見られるものではない。
他のブランドとは一線を画したハードなCM。
そのコピーこそが、「メイク魂に火をつけろ」だった。
当時、高校生だった私は、
ピエヌに一気に魅せられた。
「大人のメイク」への好奇心を掻き立てられて向かった先は、
街の化粧品屋さん。
お小遣いやバイト代をかき集めてきて、
緊張しながらカウンターに座った日のことは、
今も鮮烈に覚えている。
カウンセリングで見立ててもらったアイシャドウと口紅を塗り、
メイク禁止の厳しい学校にドキドキしながら登校していた。
今思えば、全然似合ってないし、あまりに下手くそ。
それでも、あの頃の興奮と情熱が、
メイクを愛する今の私の基礎となっていることは間違いない。
ライター業でも、コスメ記事は高い評価をいただくことが多い。
メイクのプロの友人たちにも、
「本当にメイクが好きだね」
と半ば呆れられるように言われるほどだ。
そんな情熱をくれたピエヌのCMに、心から感謝したい。
人の人生を変えるコピー。私もそんなものをつくってみたい。